Column

サロン開業コラム

美容室・理容室開業に管理美容師(管理理容師)は必要?取得条件や準備の流れを解説

美容室・理容室開業に管理美容師(管理理容師)は必要?取得条件や準備の流れを解説
複数人での美容室・理容室を開業する際に欠かせないのが「管理美容師(管理理容師)」です。
法律上の義務や保健所への届出など、サロンを運営するうえで必要になる場面が多くあります。
この記事では、美容室・理容室開業を目指す方に向けて、管理美容師(管理理容師)とは何か、取得条件や役割、開業準備の中で注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
開業スケジュールの立て方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

管理美容師・管理理容師とは?なぜ必要?

管理美容師・管理理容師とは?なぜ必要? 管理美容師・管理理容師とは?なぜ必要?
ここでは、管理美容師・管理理容師の基本と必要性について解説します。
資格の概要や、複数人のスタッフが働くサロンで必須とされる理由、配置していない場合のリスクを整理しておきましょう。 

管理美容師・管理理容師とは?

管理美容師・管理理容師とは、美容室や理容室において衛生管理を担う責任者のことです。
通常の美容師・理容師免許に加えて、所定の講習を修了することで資格が得られます。役割は、店舗の衛生管理やスタッフの労務管理、利用者が安心できる環境づくりなど多岐にわたります。
管理美容(理容)師は、サロンを安全かつ適正に運営するために欠かせない存在といえるでしょう。理容室・美容室のスタッフ採用は年々難化しています。背景は理容師・美容師人材そのものの不足です。厚生労働省によれば、美容師の有効求人倍率は令和6年度で約5.7倍、全業種平均の約1.23倍を大きく上回りっています。
特に個人経営のサロンほど競争が激しく、「スタッフが見つからない」という声が増えています。

スタッフが2人以上働くサロンでは管理美容師(管理理容師)が必須

法律では、美容師や理容師が2人以上勤務する店舗には、必ず管理美容師・管理理容師を配置することが義務づけられています。
オーナー自身が資格を取得して対応するケースもあれば、スタッフに任せるパターンも見られます。小規模サロンであっても複数人が働く場合は例外がなく、開業時点で必ず確認されるポイントです。
資格者の有無は、準備の早い段階から意識しておくことが重要です。

管理美容師・管理理容師がいないとどうなる?罰則や行政処分のリスク

管理美容師・管理理容師を配置せずに営業すると、保健所から改善指導を受ける可能性があります。
指導に従わなければ営業停止などの行政処分に発展するケースもあり、経営に大きな影響を及ぼすでしょう。
スタッフや顧客を守るためにも、必ず資格者を配置して法律に則った運営を行うようにしてください。

管理美容師・管理理容師になるには?資格取得の条件と流れ

管理美容師・管理理容師になるには?資格取得の条件と流れ 管理美容師・管理理容師になるには?資格取得の条件と流れ
必要な実務経験や講習について知っておくことで、開業スケジュールをスムーズに組み立てられます。
ここでは、管理美容師・管理理容師になるための条件と取得の流れを解説します。
人手不足下で優秀な人材を確保するには、従来の手法に加え多角的なアプローチが不可欠です。オーナーが活用したい主な方法は次の通りです。

美容師免許・理容師免許+実務経験3年以上が必要

管理美容師・管理理容師資格を取得するには、美容師または理容師免許を持ったうえで3年以上の実務経験が必要で、衛生管理や労務管理を任せられるだけの経験が求められるためです。
経験年数が不足していると受講資格が得られないため、開業予定がある方は逆算して準備を始めることが大切でしょう。

理容師美容師試験研修センターの講習を受講する

資格取得には、理容師美容師試験研修センターが実施する講習を修了する必要があります。
講習では衛生管理や労務管理、関係法規などを体系的に学び、修了後には証明書が発行され、正式に管理美容師・管理理容師として登録可能です。
講習内容は開業後の実務にも直結するため、経営者として知っておいて損はないでしょう。

管理美容師・管理理容師を取得する際の注意点

管理美容師・管理理容師を取得する際の注意点 管理美容師・管理理容師を取得する際の注意点
ここでは、管理美容師・管理理容師の資格を取得するときに気をつけたいポイントを紹介します。
スケジュールや費用面の準備不足で開業計画が遅れることがないように、事前に確認しておきましょう。
美容師の有効求人倍率は令和5年度で約5.7倍で、選考を工夫しなければ良い人材を逃しかねません。さらに離職率は1年以内で約30%、3年以内で60%近くというデータもあり、採用プロセスの磨き込みと、長く働ける環境整備の両立が欠かせないでしょう。以下に、応募〜採用までの注意点と定着のポイントをまとめます。

講習のスケジュールを把握しておこう

管理美容師・管理理容師の講習は、各地域で年数回しか実施されません。
申し込みが遅れると開業予定に間に合わない場合があるため、早めに日程をチェックして予定に組み込むことが大切です。
特に繁忙期や移動が必要な地域での受講を考える場合は、余裕をもったスケジューリングを心がけましょう。

講習会の抽選で外れる可能性を考えておこう

受講希望者が多い地域では、抽選で落選するケースも見られます。
当選しなかった場合は次の開催まで待たなければならないため、開業時期を遅らせてしまうリスクがあります。
複数の地域や日程を候補に入れておく、代替プランを考えておくと安心です。

受講料がかかることを知っておこう

管理美容師・管理理容師の受講料は約2万円です。
開業準備では物件取得費や機材購入費など多くの資金が必要になるため、こうした細かなコストも見落とさずに計画に盛り込みましょう。
大きな負担ではないものの、資金計画を正確に立てるためには必要な情報です。
 

美容室・理容室開業に向けて管理美容師(管理理容師)をどう確保する?

美容室・理容室開業に向けて管理美容師(管理理容師)をどう確保する? 美容室・理容室開業に向けて管理美容師(管理理容師)をどう確保する?
 美容室や理容室を開業する際には、必ず管理美容師(管理理容師)を配置する必要があります。
ここでは、その資格者をどのように確保するかを解説します。オーナー自身が取得する方法、スタッフに取得してもらう方法、すでに資格を持つ人を採用する方法の3つが主な選択肢です。

オーナー自身が取得する

オーナーが美容師や理容師免許を持っている場合は、自ら管理美容師(管理理容師)の資格を取得する方法があります。
自分で資格を持っていれば、人材に依存せずに運営できる点がメリットです。また、衛生管理や労務管理に直接関われるため、経営全体を把握しやすくなるでしょう。
ただし、実務経験や講習受講のスケジュール調整が必要なため、早めに計画を立てることが欠かせません。

信頼できるスタッフに管理美容師(管理理容師)を取得してもらう

スタッフの中に信頼できる人材がいる場合は、その人に管理美容師(管理理容師)を取得してもらうのも有効です。
責任ある役割を任せることでスタッフのモチベーションが高まり、キャリアアップにもつながります。オーナーが経営や集客に集中できる点も大きなメリットです。
管理理容師・管理美容師の講習の受講には時間がかかるため、誰に任せるかは早い段階で決めておきましょう。

管理美容師・管理理容師の資格者を採用する

すぐに開業を進めたい場合は、すでに管理美容師や管理理容師の資格を持つ人材を採用する方法もあります。
資格を持ったスタッフが在籍していれば、保健所への届出もスムーズに進み、開業準備の短縮につながります。
ただし、資格者は需要が高く人材確保が難しいケースもあるため、採用条件や待遇を工夫して魅力的に提示することが必要です。

採用については、こちらの記事で詳しくご説明しています。
理容室・美容室のスタッフの採用・教育のポイント!スタッフに選ばれる・働き続けてもらうためのヒントを、データを元に解説します!


美容室・理容室開業準備で不安があるならタカラベルモントへ

美容室・理容室開業準備で不安があるならタカラベルモントへ 美容室・理容室開業準備で不安があるならタカラベルモントへ
美容室や理容室を開業するには、管理美容師・管理理容師の確保だけでなく、資金計画や物件探し、設備導入など多くの課題があります。
タカラベルモントは、豊富な専門知識と実績を活かして、これらの開業準備をトータルでサポートします。開業計画の立案から資格取得や人材確保の相談まで幅広く対応可能です。
初めての開業で不安を抱えている方にとって心強いパートナーとなるでしょう。

まとめ

スタッフが2人以上働く美容室や理容室を開業する場合、管理美容師(管理理容師)の配置は法律で義務づけられています。
資格取得には実務経験と講習が必要であり、取得までに時間がかかるため、開業スケジュールに組み込んで準備することが重要です。
オーナー自身が取得するのか、スタッフに任せるのか、あるいは資格者を採用するのかを早めに判断し、計画的に進めていきましょう。

タカラベルモント株式会社 今里 公彦

この記事の監修者

タカラベルモント株式会社 理美容サロン開業支援担当
今里 公彦

化粧品の営業を経て、現在はサロンの開業支援に従事。
主に西日本エリアで、多くの理美容サロンの開業をサポートしている。

美容室・理容室開業をお考えの方はお気軽にご相談ください!