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サロン開業コラム

居抜き美容室・理容室の活用ポイント

居抜き美容室・理容室の活用ポイント
美容室や理容室を開業する際、物件選びは非常に重要なポイントです。中でも、居抜き物件は、既存の設備や内装を有効に利用することで、初期費用の削減や工期の短縮が可能となり、早期の開業を実現しやすくなります。
本記事では、居抜き美容室・理容室の基本的な特徴やメリット、注意点、物件の探し方などを具体的に解説し、開業を成功へ導くためのヒントを紹介します。

理容室・美容室の居抜き物件とは?

理容室・美容室の居抜き物件とは? 理容室・美容室の居抜き物件とは?
まず、居抜き物件がどのような特徴を持ち、スケルトン物件とどのように異なるのかを理解することが重要です。
居抜き物件とは、前のテナントが使用していた内装や設備をそのまま引き継いで借りられる物件を指します。美容室や理容室の場合、シャンプー台や椅子、ミラーなど専門的な設備が残置されている事が多く、一から設備を整えるよりも大幅にコストを削減できるメリットがあります。既存の内装を活用することで、開業準備の時間も短縮できます。
一方、スケルトン物件は内装が撤去され、建物の躯体のままの状態で引き渡されるため、オーナーの好みや店舗のコンセプトに合わせて自由に設計できる点が特徴です。しかし、スケルトン物件は内装工事に多大な費用と時間がかかるため、工期が延び、開業が遅れるリスクも考えなければなりません。これらの違いから、居抜き物件はスピードとコスト面で優位性があると言えます。
ただし、居抜き物件の場合、前テナントの仕様が必ずしも自分の理想と一致するとは限りません。内装のイメージや導線計画を変更する場合、追加のリフォーム費用が発生する可能性があるため、開業時期や予算を考慮して最適な店舗づくりが可能かどうかを十分に検討することが大切です。

居抜き物件の基本的な意味と特徴

居抜き物件の最大の特徴は、前店舗で使用されていた設備や内装を活かすことで、初期投資を抑え、早期の開業を実現できる点です。美容室・理容室ならではのシャンプー台や椅子、ミラーが残っている場合、新規に設備を購入する費用を大幅に削減できます。
また、配管や電気工事など大掛かりな設備部分の施工が既に完了しているため、工期の短縮にも寄与します。特に繁忙期に間に合わせてオープンしたい場合などには非常に有効です。
ただし、残っている設備の状態は物件ごとに異なるため、実際に内覧し動作確認や、修繕履歴を問い合せ・確認することが重要です。状態によっては、後からメンテナンスが必要となるケースもあるので注意しましょう。

居抜き物件とスケルトン物件の違い

居抜き物件とスケルトン物件の最大の違いは、設備や内装が残っているかどうかです。
居抜き物件は既存の資産をそのまま借りられるため、開業資金や工期を抑える利点があります。一方、スケルトン物件は内部がコンクリート状態で引き渡されるため、デザインやレイアウトの自由度が高い反面、初期費用や施工期間が長くなりがちで、開業時期を急ぐ場合には不利となることがあります。
どちらを選ぶかは、予算、店舗のコンセプト、希望する開業時期に応じて判断することが重要です。こだわりの店舗づくりを目指すか、スピードとコスト削減を重視するかで最適な選択は変わってきます。

居抜き美容室・理容室を選ぶメリット

居抜き美容室・理容室を選ぶメリット 居抜き美容室・理容室を選ぶメリット
居抜き物件を活用して開業する際には、多くのメリットがあります。一般に、美容室や理容室の開業には初期設備費や内装工事などで多額の資金が必要ですが、居抜き物件なら既存の設備や内装を再利用するため、これらの費用を大幅に削減できます。また、工事期間が短縮されることで早期の売上確保が可能となり、開業後の経営リスクも低減されます。
さらに、居抜き物件の多くは、美容室や理容室に必要な配管や電気設備が整っており、一から工事を行う必要がなく、設備投資費用や工事期間を削減できます。メリットを最大限に生かすためには、店舗コンセプトや施術内容に合わせて、残存設備が本当に適しているかを事前にしっかり確認することが重要です。不必要な設備がある場合、撤去費用などの追加コストが発生する可能性があるため、初期段階で試算に組み込んでおきましょう。

初期コスト削減の魅力

美容室・理容室の開業には、シャンプー台、ミラー、椅子などの設備機器が不可欠です。居抜き物件ならこれらの設備をそのまま利用できるため、新たに購入する手間や費用を大幅に抑えられます。もちろん、設備の状態が悪い場合は買い替えや処分する費用が必要になることもありますが、最初から大規模な設備投資や工事を実施するよりリスクは低くなります。浮いた資金を広告宣伝費やスタッフ教育などに充てることで、開業後の集客やリピート率向上にもつながり、早期の投資回収が期待できます。

内装や設備をそのまま活用できる利点

居抜き物件では、前オーナーが使用していた内装やレイアウトを引き継げるため、空間づくりにかかる時間と費用を大幅に削減できます。特に、シャンプーブースやスタイリングブースは配管や電源の設置が必要なため、新規導入には手間がかかります。これらが既に整っていれば、最小限の修繕や小規模な改装で営業を開始できるのは大きなメリットです。また、椅子やミラーなどの備品も、状態が良ければ再利用でき、新たに調達する手間と時間を省けます。ただし、内装のデザインや色合いが自店のコンセプトに合わない場合は、必要なリフォームを検討し、工事費用を事前に見積もることが重要です。

スピード開業を実現する仕組み

居抜き物件は大規模な内装工事や配管工事が不要なケースが多く、工期が短縮される傾向にあります。たとえば、スケルトン物件では内装プランニングから工事完了までに数カ月かかることも珍しくありませんが、居抜き物件ならそれより短期間でオープンが可能です。早期の開業は運転資金の取り崩し防止に直結し、経営リスクの低減にも寄与します。特に競合店舗が多いエリアでは、迅速な開業により潜在顧客を取り込むチャンスが増えます。なお、すべての設備が問題なく使えるわけではないため、短い工期内にどこまで補修・改修を実施するか、事前に計画を立て、質の高い施工が可能な業者を選定し、予算とスケジュールをしっかり管理することが重要です。

居抜き美容室・理容室を活用する際の注意点

居抜き美容室・理容室を活用する際の注意点 居抜き美容室・理容室を活用する際の注意点
居抜き物件は魅力的ですが、利用にあたっては以下の点に十分注意する必要があります。事前に各ポイントを確認することで、後々のトラブルを防ぐことができます。

設備・内装の状態と老朽化の確認

居抜き物件の設備や内装は、前オーナーの使用状況により大きく異なります。老朽化が進んでいる場合、修繕費が予想以上にかかり、結果としてスケルトン物件と同等の費用になる可能性もあります。見学時には、シャンプー機器、排水設備、電気系統などの動作確認を行い、壁や床の状態、湿気やカビの有無もチェックしてください。特に、頻繁に使用されるシャンプー台、ヘアドライヤー、エアコンなどは事前に修繕や買い替えの見積もりを取得するなど、慎重な判断が求められます。場合によっては、大規模な修繕が必要な物件は再検討することも視野に入れましょう。

老朽化や修繕費用のチェック

前オーナーの利用環境によっては、機器類の老朽化が進んでいる場合があります。特に頻繁に使われるシャンプー台やヘアドライヤー、エアコンなどは点検を欠かさずに行うことが必要です。
老朽化が激しい機器をそのまま使い続けると、開業後すぐに故障して経営に支障が出るリスクが高まります。修繕や買い替えが必要な場合は、あらかじめ見積もりを取って費用を把握しておくと安心です。
大規模な修繕が必要になるようであれば、別の物件を検討するのも手段の一つです。安易に契約してしまうと、結果的に設備新設と同じくらいの費用がかかることもあるため、慎重に判断しましょう。

水周りや配電設備の点検

水漏れや排水不良は、営業中の大きなトラブルにつながります。シャンプー台や給排水口を実際に稼働させ、水の流れに異常がないか確認することが大切です。また、複数のドライヤーや照明、空調を同時に使用する際にブレーカーが落ちないよう、契約アンペア数や配電盤の容量も必ずチェックしましょう。こうしたインフラは後から変更が難しく、修繕費用も高額になりがちです。必要であれば、引き渡し前の修繕交渉も検討してください。(引き渡し後は、現オーナーが修繕することになります。)

契約内容の重要ポイント

居抜き物件を契約する場合は、退去時の原状回復義務や残存設備の扱いなどをしっかりと確認しておくことが欠かせません。曖昧なまま契約してしまうと、後から高額な原状回復費を請求される可能性があります。
また、前オーナーが設備や内装を所有している場合、その譲渡条件やメンテナンス責任がどのように扱われるのかを明確にしておく必要があります。契約書だけでなく、口頭での取り決めにも注意を払いましょう。
こうした細部を事前に詰めておくことで、オープン後の業務やトラブル対応に集中できます。物件オーナーや前テナント、不動産会社との連携を密に行い、契約範囲をしっかり把握した上でスタートを切ることが大切です。

退去時の原状回復義務と影響

退去時、内装や設備をスケルトン状態に戻す要求がある場合、原状回復工事が大規模になり、予想以上の費用が発生する可能性があります。特に、美容室・理容室の設備は配管や電気系統に関わるため、復旧工事が複雑になりがちです。また、前オーナーから引き継いだ設備にも同様の義務が発生する場合があるため、十分に注意してください。

前オーナーとの引き継ぎ内容

前オーナーが使用していた設備については、譲渡かレンタルか、または無償提供かなど条件が異なります。所有権やメンテナンス責任の所在を明確にし、特に高価または特殊な機器については動作確認や修理保証の取り決めを、必ず書面で確認してください。引き渡し時に双方で設備リストをチェックするプロセスを設けることで、後のトラブルを未然に防げます。

ターゲット層と立地条件に基づく選定の注意

設備面の魅力があっても、立地条件とターゲット層が合致していなければ、事業成功は難しくなります。前オーナーの時代に成果を上げた立地でも、自店舗のサービス内容や客単価に合わない場合があります。周辺の商圏、競合状況、人口動態、消費傾向を十分に調査し、集客が見込めるエリアかどうか慎重に判断してください。立地が不利な場合、追加の広告宣伝費が必要となるリスクもありますので、ターゲット顧客を明確にした上で選定を行いましょう。

居抜き美容室・理容室物件の探し方

居抜き美容室・理容室物件の探し方 居抜き美容室・理容室物件の探し方
実際に物件を探す際は、複数の手段を組み合わせて理想の居抜き物件を見つけることが重要です。居抜き物件は数が限られていることが多く、タイミングによってはすぐに借り手がついてしまうため、こまめな情報収集と複数の方法を併用することで、効率的に探すことが可能です。

専門業者や不動産会社への相談

美容・理容業界に精通した不動産会社や専門仲介業者は、一般には出回らない未公開物件の情報を持っている場合もあります。また、内見時のポイントや契約交渉の注意点など、実務的なアドバイスも受けられます。ただし、仲介手数料などの費用が発生することもあるため、コストとメリットのバランスを見極め、自分に合ったサービスを選びましょう。

地域特化型の検索サービスの利用

特定地域に強い不動産サイトや情報サービス、または地域のコミュニティや商工会議所を活用すると、地元ならではの居抜き物件情報が得やすくなります。集客を狙いたいエリアが明確な場合、地域密着型の情報を参考にすることで、ネットに出回る前の優良物件を見つけられる可能性も高まります。

その他の方法

不動産ポータルサイト等では、写真や間取り図、物件の特徴が詳しく掲載されているため、初期情報の比較が容易です。ただし、掲載情報が最新でない場合もあるため、気になる物件は早めに不動産会社等へ問い合わせるのがおすすめです。

物件内覧時に確認すべきポイント

実際に物件が気になったら、早めに内見し、以下の点をチェックしましょう。
  •  設備・内装の状態
実際の内装や設備、特にシャンプー台、配管、電気設備の状態を目視・動作確認し、細かい部分までチェックします。内見時には、図面だけでは分からない導線や採光、換気の状態も確認し、自分の店舗コンセプトと合致しているかを判断しましょう。
  •  店舗の広さとフロア図面の適合性
施術スペース、待合スペース、シャンプー台の配置など、店舗全体のレイアウトが理想と合致しているか、フロア図面と実際の空間を比較しながら検討します。狭すぎたり広すぎたりする場合は、後の改装コストや工期に影響するため、注意が必要です。
  • メンテナンス履歴の確認
空調、電気、給排水設備などのメンテナンス状況や修繕履歴を確認し、老朽化の度合いを把握します。特に年数が経過している物件では、近いうちに交換や大規模修繕が必要になる可能性があるため、必要に応じて専門業者の点検を依頼することも検討しましょう。

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まとめ

居抜き物件を開業時の物件選びの選択肢の一つとすることで、初期費用や工期を大幅に削減し、迅速な開業が実現できます。前テナントの設備や内装を有効に引き継ぐことで、投資リスクを軽減し、浮いた資金を他の経営資源(広告宣伝、スタッフ教育など)に充てることが可能です。一方で、設備の老朽化、修繕費用、退去時の原状回復義務など、注意すべき点も多く存在します。契約内容や前オーナーとの引き継ぎ条件を十分に確認し、余裕を持った予算とスケジュールを策定することが、後々のトラブル防止につながります。また、立地条件やターゲット層との適合性も店舗の成功に直結するため、複数の情報源を駆使し、内見を通じて現場の状態をしっかり把握することが大切です。メリットと注意点を正しく理解し、万全の準備を行うことで、居抜き物件を活用した円滑な開業が可能となるでしょう。

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