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サロン開業コラム

理容室・美容室 開業に必要な届出まとめ!提出先や手続きの全体像を解説!

理容室・美容室 開業に必要な届出まとめ!提出先や手続きの全体像を解説!
理容室・美容室を開業する際には、店舗づくりやスタッフの採用だけでなく、各種行政機関への届出も欠かせません。
しかし、届出の種類や提出先が多岐にわたるため、「何を、いつ、どこに提出すればよいのか分からない」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、理容室・美容室を開業するにあたって必要な届出の種類や提出先、それぞれの手続きの概要についてわかりやすく解説します。
めての開業でも安心して準備を進められるよう、ぜひ参考にしてください。
※本記事は2025年5月時点の情報に基づいて作成されています。制度や規定は随時変更される可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。

理容室・美容室開業時に必要な主な届出とは?

理容室・美容室開業時に必要な主な届出とは? 理容室・美容室開業時に必要な主な届出とは?
理容室・美容室を開業する際には、以下のような届出が必要です。

保健所への届出:理容室開設届・美容所開設届

理容室・美容室を開業するには、所轄の保健所に「理容所開設届」「美容所開設届」を提出し、施設が衛生基準を満たしているかの検査を受ける必要があります。
提出書類には、開設届、構造設備の概要、従業者名簿、医師の診断書、登記事項証明書(法人の場合)などが含まれます。
書類提出時に立入検査の日程が決まるため、営業開始希望日から逆算して早めに提出することが望ましいです。

消防検査への連絡

店舗の内装や設備が消防法に適合しているかを確認するため、所轄の消防署に事前に確認し、「防火対象物使用開始届出書」などの必要書類を提出します。
特に、ガス器具や電気設備を使用する場合には、安全対策の確認が不可欠です。

税務署への届出

個人事業主として理容室・美容室を開業する場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」を、法人として開業する場合は「法人設立届出書」等を税務署へ提出します。
開業届は、開業日から1か月以内に提出する必要があります。

年金事務所への届出

法人や、常時5人以上の従業員を雇用する個人事業主は、健康保険・厚生年金保険への加入が義務付けられており、「健康保険・厚生年金保険新規適用届」および「被保険者資格取得届」を年金事務所に提出します。
ただし、個人事業の理容室・美容室には例外規定もあり、今後の法規制の変更可能性もありますので、最新の情報を確認しましょう。
提出は、適用事業所となった日から5日以内に行う必要があります。

労働基準監督署への届出

従業員を雇用する場合、労働基準監督署に「労働保険保険関係成立届」と「労働保険概算保険料申告書」などを提出します。
「保険関係成立届」は、保険関係が成立した日の翌日から10日以内に、「概算保険料申告書」は50日以内に提出する必要があります。

公共職業安定所(ハローワーク)への届出

雇用保険に関する手続きとして、「雇用保険適用事業所設置届」と「雇用保険被保険者資格取得届」などを提出します。
「雇用保険適用事業所設置届」は、事業所設置の翌日から10日以内に、「雇用保険被保険者資格取得届」は、資格取得の事実があった日の翌月10日までに提出する必要があります。

それぞれの届出の書き方・記入項目

それぞれの届出の書き方・記入項目 それぞれの届出の書き方・記入項目

開設届出書

開設届出書は、理容室・美容室を新たに開業する際に、保健所に対して事業の開始を届け出るための書類です。
様式は各自治体の保健所により若干異なることがありますが、基本的な記入内容は共通しています。

主な記入項目
・開設者の住所
・開設者の氏名(法人の場合は法人名および代表者名)
・店舗の名称
・店舗の所在地
・営業の種別(美容所 ないし 理容所)
・管理美容師の氏名・登録番号・登録都道府県
・開設予定日
・連絡先電話番号
・既存施設の承継の有無(該当する場合のみ)

構造設備等施設

美容室・理容室の内部構造や衛生設備が美容師法、理容師法に定める基準を満たしていることを説明する補足書類であり、開設届出書と併せて保健所に提出します。
これにより、所定の広さや衛生環境が確保されているかが判断されます。

主な記入項目
・作業室の面積 ・作業室の床、腰板、壁、天井の材質(不浸透性かどうか)
・作業用椅子の数
・採光および換気の方法(窓の設置、換気扇の有無など)
・洗髪設備の数および設置場所(作業室に設置されているか)
・器具の消毒方法(紫外線消毒器、消毒用エタノール等)
・清潔区域・不潔区域の区別(器具やタオルの保管方法)
・従業者用の手洗い設備や更衣室の有無

開業届出書(開設者が個人の場合のみ)

開業届出書(個人事業の開業・廃業等届出書)は、理容室・美容室を個人事業として始める場合に、税務署に提出する書類です。
開業から1ヶ月以内に提出することが義務づけられており、青色申告の申請と併せて行うことが一般的です。

主な記入項目
・納税地(住民票所在地または事業所所在地)
・氏名・生年月日・性別・職業(例:美容業)
・屋号(任意。店舗名として使われることが多い)
・開業日
・所得の種類(通常は「事業所得」)
・開業に伴い届出書を提出する税務署名
・事業の概要(例:カット・カラー等の美容サービス提供)
・給与等の支払いの有無(従業員がいる場合)
・青色申告承認申請書の提出有無

法人設立届出書(開設者が法人の場合のみ)

法人設立届出書は、法人が新たに設立されたことを税務署に届け出るための書類です。
法人を設立した場合は、原則として設立後2か月以内に提出する必要があります。

主な記入項目
・届出先(本店所在地を所轄する税務署名)
・法人名(登記簿に記載された正式名称)
・本店所在地
・納税地(通常は本店所在地)
・代表者氏名・住所
・設立年月日
・事業年度
・資本金の額
・事業内容(定款記載の目的)
・設立の形態(新設、合併等)
・給与支払事務所等の開設有無
・関与税理士の情報

健康保険・厚生年金保険新規適用届

健康保険・厚生年金保険新規適用届は、法人や一定規模以上の個人事業主が社会保険の適用事業所となる場合に提出する書類です。
年金事務所に提出し、提出後に事業所番号が交付されます。

主な記入項目
・事業所名称・所在地・電話番号
・法人番号
・事業の種類(業種)
・事業主(代表者)氏名・住所
・設立年月日
・事業開始年月日
・常時雇用する従業員の人数
・加入健康保険組合の有無

被保険者資格取得届

被保険者資格取得届は、従業員を雇用した際に健康保険と厚生年金保険の被保険者となったことを届け出るための書類です。
入社日から5日以内の提出が原則です。

主な記入項目
・氏名・フリガナ・性別・生年月日
・基礎年金番号またはマイナンバー
・資格取得年月日(入社日)
・被保険者種別(一般、短時間等)
・事業所整理記号・番号
・従業員の住所・電話番号

労働保険保険関係成立届

労働保険保険関係成立届は、事業を開始して従業員を雇用した際に、労災保険・雇用保険の適用事業所であることを労働基準監督署に届け出るための書類です。
事業開始から10日以内の提出が必要です。

主な記入項目
・事業所の名称・所在地
・法人番号
・事業の種類および概要
・事業開始年月日
・常時使用する労働者数
・事業主の氏名・住所

労働保険概算保険料申告書

労働保険概算保険料申告書は、労働保険(労災保険・雇用保険)に加入する際に、1年間の賃金総額をもとに概算で保険料を申告・納付するための書類です。
保険関係成立届と同時に提出します。

主な記入項目
・事業所名称・所在地
・労働保険番号(取得後)
・年度中の賃金総額の見込み額
・労災保険料率・雇用保険料率
・概算保険料額
・納付予定日

雇用保険適用事業所設置届

雇用保険適用事業所設置届は、雇用保険の適用対象となる事業所を新たに設置した場合に、ハローワークへ届け出る書類です。
原則として、事業を開始してから10日以内に提出します。

主な記入項目
・法人番号
・事業所の名称・所在地・電話番号
・設置年月日
・労働保険番号
・事業の概要
・常時雇用労働者数
・雇用保険加入対象人数
・給与締切日・支払日

雇用保険被保険者資格取得届

雇用保険被保険者資格取得届は、新たに雇用した労働者が雇用保険の被保険者となる場合に提出する書類です。
被保険者となった日の翌月10日までにハローワークへ提出します。

主な記入項目
・被保険者の氏名・性別・生年月日
・被保険者の住所
・資格取得年月日(雇入日)
・マイナンバー
・雇用形態(常用、短時間など)
・所定労働時間・労働日数
・事業所番号

理容室・美容室開業の届出手続きをスムーズに進めるコツ

理容室・美容室開業の届出手続きをスムーズに進めるコツ 理容室・美容室開業の届出手続きをスムーズに進めるコツ
理容室・美容室の開業にあたり、届出の手続きを効率的かつスムーズに進めるためには、いくつかの工夫が有効です。

届出の提出期限を把握する

各種届出には法令で定められた提出期限があります。
たとえば、開業届は開業後1か月以内、労働保険関係成立届は保険関係が成立した日から10日以内など、期限を過ぎてしまうと行政指導や罰則の対象になる場合もあります。
事前にスケジュールを立てて、各種手続きを漏れなく進めることが重要です。

提出書類の不備を防ぐ

届出の際に最も多いトラブルのひとつが「書類不備」です。記入漏れや添付書類の不足、押印の漏れなど、小さなミスでも受付されないケースがあります。
書類提出前には必ず再確認を行い、できれば複数人でチェックするなどダブルチェック体制を整えると安心です。

専門家やプロへの相談を活用する

手続きに不慣れな場合や、時間的な余裕がない場合は、社会保険労務士や税理士、行政書士といった専門家に相談するのがおすすめです。
特に、従業員の雇用や法人運営を行う場合は、法的手続きが複雑になるため、プロの力を借りることでミスを防ぎ、スピーディに手続きを進めることができます。

理容室・美容室開業の届出に関するご相談はタカラベルモントへ!

タカラベルモントは創業の動機の作成支援を含めた美容室・理容室開業のサポートを行います! タカラベルモントは創業の動機の作成支援を含めた美容室・理容室開業のサポートを行います!
理容室・美容室を開業するには、保健所、税務署、年金事務所、労働基準監督署、ハローワークなど、さまざまな機関に対して煩雑な届出が必要になります。初めて開業される方にとっては、どこから手をつければよいか分からず、不安に感じることも多いでしょう。
タカラベルモントでは、美容業界での長年の実績を活かし、開業支援をトータルにサポートしています。店舗設計や設備の提供だけでなく、届出や行政手続きについてもご相談いただけます。理容室・美容室開業の準備に関して不明点がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。専門スタッフが一人ひとりに合わせて、的確なアドバイスをご提供いたします。

まとめ

理容室・美容室を開業する際には、各種届出を正しく行うことが不可欠です。届出の内容は多岐にわたり、提出先も保健所・消防署・税務署・年金事務所・労基署・ハローワークなど多方面にわたるため、事前にしっかりと準備することが大切です。
書類の記入や提出には細かなルールがあり、不備があると手続きが遅れる原因にもなります。
手続きのスケジュールを把握し、不安があれば専門家に相談することで、スムーズかつ確実に開業の準備を進められるでしょう。

美容室・理容室開業をお考えの方はお気軽にご相談ください!