Special Contents OWNER INTERVIEW 開業その後

Vol.3

他人がやっていることが、

自分にとっても「良い」とは限らない

酒井 雅勝 さん / 「CHAIR hair spa nail」オーナー

酒井 雅勝〈さかい まさかつ〉さん … 新潟県出身。ご実家は、祖父の代から理容室を経営。親族にも理容師が多い環境で育つ。高校卒業後は大学進学を希望していたが、伯母の「あなたが継がないと酒井の血が途絶える」という言葉で理容師になることを決意。横浜商業高等学校 別科理容科に進学。卒業後、理容室に勤めるうちにメンズビューティのサロンを開きたいと考えるように。「店を持つなら美容についても学んでから」と美容室に転職。サロンに勤めながら美容学校の通信科で資格を取得する。
2014年1月、吉祥寺にCHAIR hair spa nailをオープン。ネイルを担当する奥様と共にサービスを提供中。第一子が誕生した新米パパでもある。

強みとなるメニューを生んだ
「お客様へのおもてなし」の意識

どんなお店を思い描いていましたか? ────

独立前は社内で2番目に大きいサロンに勤務し、常時、一人で5~6人のお客様に対応していました。「一人のお客様にちゃんと時間をかけて満足していただき、一生のお付き合いができる働き方がしたい」「お客様と、深くつながりを持って濃い関係を築きたい」と考えていたので、独立するにあたって大型店でなければならないというイメージはありませんでした。
実際に独立してみて、お客様との距離感が確実に近くなったと思います。意識したのは、「一人のお客様に対してどれだけおもてなしできるか」ということ。現在、店の強みになっているネイルサービスやヘッドスパは、その考えの延長線上にあります。最終的には、一人のお客様を同じスタッフがずっと担当できるようにしたいですね。スタイリストだけのサロンにするかどうかは、まだわかりませんが、みんなが自分の顧客を持てるサロンがいい。そして、一緒に仕事をしている妻の理想は、スタッフ全員が輪になるような働き方。全員がすべてのお客様を把握し、来てくださった方をみんなでおもてなしできるお店も、目指す形です。

奥様の存在は大きい? ────

妻とは、働いていた店舗は違いますが、以前勤めていた美容室で出会いました。しっかり者の妻は、石橋を叩いて歩くタイプの僕の背中を笑顔で押してくれます。店の内装など何かを決めるとき、最終決定を下すのは僕じゃなくて妻。彼女は僕にないものを持っているので、助かっています。
妻は、美容室で働いた後にネイルサロンでも5年働いていました。オープン前から、ネイルをメニューに入れるのは決めていたんです。「個人店でやるからには、色がないと」と考え、カットメニューにネイルケアを付随させるネイルサービスを始めました。40代以上のお客様は、ネイルサロンに抵抗を感じて自宅でしかケアをしない方も多いようでした。そういう方が当店でサービスを受けたことで興味を持ってくれて、お出かけ前にネイルをするようになることもしばしば。あと、男性の反響が大きかったのは意外でした。

酒井オーナーと奥さま



ネイルサービス以外の強みは? ────

ヘッドスパです。徐々に、担当するお客様の年齢が上がってきて、みなさんが疲れているのを感じるようになりました。以前のお店もマッサージメニューは充実していましたが、単純に気持ち良いだけだと、マッサージ屋さんでもいいですよね。「水が使える」という美容室の強みを活かし、気持ち良いだけではない、必要と思えるヘッドスパに力を入れることにしたんです。たとえば、パソコン等で目が疲れていると、首の凝りの影響で髪の毛や頭皮が固くなることも……。髪だけではなく地肌の環境に気を配ることも美容師の仕事です。お客様の髪のコンディションを地肌から整えたいと考え、ヘッドスパの技法をマスター。メーカーのレクチャーだけでは飽き足らず、当時勤めていたサロンの休みを利用して大阪に新幹線で通い、合計7日間かけて、ヘッドスパの資格、ヘッドマイスターを取得しました。

常連客が「また来たい」と思う店づくり

お客様はどの年代が多い? ────

家族ぐるみで来てくださるお客様が増えています。奥様がお母様と娘さんを紹介してくれるとか、おばあちゃんが娘さんとお孫さんを連れて来てくださるとか。人とのつながりは技術だけでは続かない。お客様が喜ばれる気遣いなどは、妻に頼っている部分も大きいです。
その他にも、今、お客様の紹介で来てくださる方が多いんですが、それは常連客を大切にしている結果だと思っています。媒体誌に広告を出してはいますが、理想を言うと、紹介のお客様だけを受け入れたいくらい。新規客に焦点を当てたメニューを作るよりも、常連客に「また行きたい」「通いたい」と思っていただける店を作りたいと考えています。



通ってもらえる工夫は? ────

たとえば、メンバーズカード。使用金額によってサービスが受けられたり、選べるドリンクの種類が変わったりと、来店回数や頻度によって特典の違うカードを3種類用意しています。新規客は値段が安い店に足を運びがちですが、常連客にとって大切なのは値段ではないんです。これは、タカラベルモントの担当 西江さんも言っていました。「安くするな」「そもそも、吉祥寺のこの場所、入りやすいとは言えない2階を選んだ時点で、値段でサロンを選ぶ人は対象にしていないはず」って。西江さんは、オープン後もいろいろ気にかけてくださっていて、毎月髪を切りに来てくれています。以前は営業的な話も多かったですが、昨年子どもが生まれてからは、子どもの話ばかり。お互いに写真を見せ合ったりしています。(笑)

(左から)タカラスペースデザイン(株)デザイナー 西浦 / タカラベルモント(株)開業支援担当 西江 / 酒井オーナー / タカラベルモント(株)営業担当 田島

僕がお客様に合うものを選ぶ、それが付加価値になる

今後の展開 ────

担当して10年以上になるお客様が多いので、髪の悩みも徐々に増えています。今使っている薬剤や僕の技術がその人に合っているのか、改めて考えなければならないと感じているところ。満足してもらえているかもしれないけれど、もっと良くしてさしあげたい。薬剤も、お客様に合うものを探し出してあげたい。
僕が服を買ったりご飯を食べにでかけるとき、年を重ねるに従って料金以外のところに価値を求めるようになってきました。お客様は「自分に合っているかどうか」を見ている気がするんです。店で扱っている商材も、実はネットで購入した方が安かったりする。でも、お店では、美容師がお客様のために選ぶことによって価値が高くなる。「僕がお客様に合うものを選んであげること」が付加価値になるのが理想です。



そのために必要なことは?────

普段のサロンワークで、お客様をきちんと分析しなくてはいけません。30歳になってからずっと、お店のカルテとは別にお客様のことをメモに残しています。サロンのカルテだけだと書けないことも、一人ずつ、「こういう方」「こういうものが好み」「こういうことを求めている」とか、毎朝1、2時間かけてまとめています。大切なのは、日々の積み重ねですね。
実は僕、これまで一度もDMを出したことがないんです。性格上続かないとわかっているので。一回出してそれっきりになるくらいなら、はじめからやらない方がいい。今、スタッフには書かせていますが、続けられないことは初めからしない主義です。
大きいサロンなら、「これをやります」という花火をたくさん上げてもいいと思うんです。でも、こういった小さいサロンでは、武器にならない武器はわざわざ持たなくていいかな。
根が頑固な性格なので、必要と思ったら続けるけれど、中途半端になるくらいなら、他の人がやっていてもやらない。まわりのサロンのやり方を真似しても、僕にとって良いとは限らないので。ブレずに自分のやり方を貫くのが一番だと感じています。

CHAIR hair spa nail

2014年3月開業 / 美容室

東京都武蔵野市

website : http://chair-hair.net/

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