まず大事なのは「将来のビジョン」を考える事

数年前、30代半ばを迎えた私は、「美容師として生涯現役を通したい」との想いから、開業を考えるようになりました。今後の人生で自分の夢や目標に向かい、現場での仕事を長く続けるには、独立するのが最良との選択に行き着いたのです。
自分のサロンを立ち上げるにあたり、まず考えたのは「将来のビジョン」。美容師としての希望は色々と持っていても、それ以外に経営者となった自分は何をしたいのか、そのイメージを描き、意識を整理することから始めました。

私は以前からずっと「コア・ターゲット」は設定しないと決めていました。小さな子供さんでも年配の方でも、男性でも女性でも、どんなオーダーにもしっかり対応する。幅広い客層を多く集め、さらに一人一人のお客様と永くお付き合いができる。そしてこれらのことを、高いレベルの技術・接客のサービスを提供し、自店のオリジナリティを発揮して叶える。そんな美容室が理想と考えています。
開業時に、これらのことを理解してくれるスタッフが来てくれることになり、サロン運営の推進力が大きく上がりました。

コンセプトは『確かな技術と居心地の良い空間』

「多くのお客様と永いお付き合い」を実現するには、立地は目立つ場所よりは静かなエリアに。お店のデザインは飽きが来ず、シンプルですっきりした、しかし個性が感じられるものを考えました。コンセプトは『確かな技術と居心地の良い空間』です。

タカラベルモントさんのショールームに足を運び、店内に調和する色調、そして使い勝手の良い機材類を探しました。特にシャンプー台や椅子など、お客様が直接触れる場所はこだわりましたね。タカラさんは私の意向をうまくフォローしてくださり、納得のいくものが揃えられました。設置などのアドバイスをいただけて、心強かったです。

集客においては、チラシ・フリーペーパー・インターネットの活用等々、思いつく事は何でもやってみました。しかし、それらも勿論大事ですが、それよりも口コミを重要視していた私は、来店くださった方々からの“紹介”に最も力を入れました。まずは来て頂いた方を大切にし、そこからの広がりで顧客を増やしたいと考えたからです。

向かうべき方向は定まりましたが、壁となったのは「お金」の問題でした。非常に幸いなことに、融資を受けることは割とスムーズでした。融資関係の話に詳しく、力を貸していただける方との出会いがあったことも大きかったです。
周りの事は順調に進んでいるかのようでしたが、私自身は正直、多額の借金を背負う事はかなり怖かったです。経営者として、本当に自分は大丈夫なんだろうか。その不安は決して小さくはなかったです。

経営者としての覚悟と決断

開業するとは、雇われの身から離れ、ある意味守られていた自分の環境から飛び出すと言う事。経営者になるという事は、夢や希望という見えないものを信じ、どんな苦難も受け止める覚悟を持つという事です。独立開業をして、絶対に上手くいく保証のある美容室など、どこにもないでしょう。しかし、人生を賭ける大博打に、絶対に勝たなくてはいけません。

私は今、「開業して良かった」と感じています。正直、厳しい現実を見る場面も多々あります。しかしそれ以上に、自分が描いた夢が少しずつでも実現する嬉しさ、温めたアイディアを実行する楽しさなどが、意識面でのマイナス要因より、遙かに勝っているのです。

始まったばかりの私のサロン。ゆっくりでもいいので、今後も着実に歩みを進めたいです。
そして私は、自分の描いた夢の通り、生涯現役の美容師でありたいと想っています。
皆さんも、開業に向けて不安に思う事がたくさんあると思いますが、やると決めたら覚悟と勢いを持って行動して下さい。

■営業担当者：タカラベルモント(株)　渡邊