日本政策金融公庫国民生活事業東京創業支援センター所長 小池俊太郎氏に融資のポイントを聞きました!
事業計画書を作成する意義
創業にあたって事業計画書の作成に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。そもそも事業計画書は何のために作成するのでしょうか。
まず第一に挙げられるのが、「事業イメージの明確化」ということ。頭の中では完璧な事業計画を考えたと思っていても、それを実際、紙に書いてみると、問題点が見つかることがあります。事業のアイデアを整理するといった点からも、事業計画書を作成することは大切な作業です。
第二に、「第三者の協力を得る」ということ。事業を推進するには、従業員を確保したり、出資者を募ったり、金融機関で資金調達をしたりと、自分以外の第三者に事業の内容を理解してもらう必要が様々な場面で生じます。事業の方針について協力者の共感を得たり、事業計画に説得力を増すためにも、重要なツールと言えます。
第三に、「経営の指針」となり得るということ。様々な角度から事業計画を検討し、準備万端で事業をスタートさせ、自分としては精一杯努力しているのに、事業が予定どおり進まないことは往々にしてあります。そんな時に事業計画書はヒントを与えてくれます。何が計画どおり進んでいるのか、何がうまく進んでいないのか検証することができます。事業計画書は迷ったときに立ち戻る地図と言えます。
専門家に事業計画書を見てもらいましょう
事業計画書を一通り書いてみたけれど内容に自信がないという方は多くいらっしゃると思います。初めての創業ですので、不安になるのも無理はありません。創業準備中の方からそのようなご相談をいただいた際は、事業計画の内容を身近な方に説明してみるよう、アドバイスをしています。
事業計画の内容を口に出して説明してみると、スムーズに説明できる部分と、うまく説明できない部分がはっきりとわかります。うまく説明できなかった部分や、相手からの質問に答えられなかった部分が、その時点の事業計画のウィークポイントです。ご自身が見落としていたポイントであったり、根拠が希薄な部分になりますので、計画を練り直していきましょう。
以上を何度か繰り返し、ある程度事業計画書の内容に自信を持つことができましたら、専門家に見てもらい、専門的なアドバイスをいただくことをお勧めします。
専任の担当者が事業計画書の作成段階から皆さんをサポートしています。
お気軽にご相談ください(タカラベルモント開業サポート担当者)。
事業計画書の説得力を高めるために
説得力のある事業計画書にはいくつかの共通点があります。その一つが「想定されるリスクと対応策」が記載されているという点です。
どのような事業にもリスクはつきもの。特に創業期は、販路開拓がうまくいかず想定した売り上げに届かないことや、予想以上に経費がかさんでしまうことなど、多くの問題に直面しやすい時期です。創業期を順調に乗り切り安定した経営を実現するためには、事業計画を作成する時点で考えられうるリスクを可能な限り洗い出し、対策を立てておくことが大切です。
創業後に直面する問題であれば創業前に考えても仕方がない、という考え方もあると思います。しかしながら、事前にリスクへの対応策を検討しておくことで事業の成功の可能性が高まりますし、その結果、事業計画書の読み手である金融機関や取引先からの信頼を得られやすくなるのです。
事業計画書を作成する際には、ぜひ想定されるリスクと対応策をじっくりと検討し、計画書に盛り込んでみてください。計画書の説得力が”グッ”と増すと思います。
創業に必要な資金とは?
「創業に必要な資金」と言われて、皆さまはどのようなものを思いつきますか。代表的なものとして、
● 「店舗・事務所取得費用」「内外装工事費」「理美容機器購入費用」などの設備資金
● 「商品仕入」「広告宣伝費」などの運転資金
などが挙げられると思います。
しかし、ここで忘れがちなのが、「余裕資金」です。つまり「運転資金」ですね。創業直後は予期せぬ出来事が発生し、計画していた以上に費用がかさむことも少なくありません。その結果、資金ショートを起こしてしまい、事業が立ち行かなくなる危険性があります。 そのような不測の事態に備えて、全ての自己資本をビジネスに投下してしまうのではなく、手元に「余裕資金」をプールすることが重要になってきます。
備えあれば憂いなし!これから創業をお考えの皆さまは、「余裕資金」を含めた「創業に必要な資金」を検討してみてはいかがでしょうか。